2016年07月04日

和僑(プラチナタウンその後)

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作者は、楡 周平。

前作「プラチナタウン」のあらすじ

エリート商社マンの職を捨て故郷に戻った主人公が、生まれ育ったその東北の田舎町の町長に就任した。
まで
主人公は、私腹を肥やそうとする町議会のドン、さらに田舎特有の悪弊・非常識と闘いながら、仰天の再建計画(プラチナタウン建設)で財政破綻寸前の自治体を立て直すというストーリーだった。

仰天の再建計画というのがプラチナタウンで、老人施設を中心にした巨大テーマパークタウンの建設だった。

【本作の帯】

日本初の、豊かな老後がコンセプトの巨大定住型老人施設「プラチナタウン」を誘致、財政破綻寸前からV字回復した緑原町。

Uターンする人々も増え、町は活気を取り戻していた。

しかし立役者で、元四井商事の町長・山崎鉄郎は、忍び寄る危機に気がついていた。

-高齢者人口も減少に転じる将来、この町はどうなる?もう一つの主要産業・農畜産業は、TPPや従事者の高齢化と後継者不足という難問を抱えたままなのだ。

産業振興課課長の工藤登美子を相棒に、山崎の商社マンの血が騒ぎ出す!

読めば元気になる“時代先取り”小説。

【読後感想文】

和僑(わきょう)とは、中国の華僑(かきょう)に対応する言葉。

華僑は世界に広がった中国民族や一族が、国が滅びても自分たちの生き残りを図るリスクマネジメントのシステムだ・・・・と作者は言う。

そのシステムを日本人も・・・・というのが、この本の主旨だ。


高齢化社会がもたらす課題を提示し、ストーリー仕立てで課題解決の方途を提案してもらっているようだった。

以下は、この本から学んだこと。

@ 高齢化社会においては、生産性も消費性も減少の一途をたどり、その課題で苦しむのは今の若い世代が中・高年になった頃である。

だから、それに対応する策を今から考えておく必要がある。

A 消費性の落ちた日本ではものを造っても売れない時代が来る。

だから、海外に販路を求める以外に方法がない。

B 20年〜30年で高齢者人口のピークを迎えるので、その後の老人福祉施設は経営が困難になり、今後新しく老人福祉施設を造っても減価償却する前に破たんが来てしまう。

C 田舎には介護を要する単身老人が増えるので介護士を中心に若い援助が必要になる。

しかし、老人ばかりの町に若い人が移住するのは難しい。

その土地の特性を生かした新たな産業を興し、自分たちで若者を呼び込む自治体に再生するしか道はない。

E 組織的、経営的側面を重視した農業・畜産業の存在が重視される。

製品の輸送費や工場、倉庫等の維持管理費を総合的にマネジメントするノウハウを持った人材が必要である。

都会にはそれがあふれているので、地方で活用する方途が必要だ。

F 日本人は海外にないきめ細かなものづくり、接客態度というソフト面で優位に立っていることを日本人自身が意識する。

G 地方にはその土地の特性を理解した上で、柔軟な発想を展開する若いリーダーが必要とされている。

H 日本では、今後経営破たんやリストラが進んで、いい大学、いい会社に入っても先行きは不安である。

何ができ、何をやりたいのかをはっきり言える人材がさらに重要視される。  

等々。




posted by 田沼 at 03:12| 福岡 ☀| Comment(0) | 読書のススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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