
それと同時に、昔話も思い出した。
かつて、釣り名人のOさんから「家庭菜園なんて、どこが面白いと?」「毎年同じことばっかりしよっちゃろうもん」と言われたことがある。
もう10年ほど前の話だ。
彼は私の釣りの師匠でもあった。
私は仕事の都合で、その後は釣りにはあまり行かなくなった。
その代わりというのじゃないが、定年後の趣味にでもしようと家庭菜園を始めていた。

彼からの質問に、その時は確たる説明ができないままに終わっていたんだが、今ならはっきり答えられそうだ。
工夫するのが楽しいんだ。
その点、釣りとの共通点が多いように思う。
釣りと家庭菜園を比較しながら説明するとしよう。
釣りをやらない人かすると、釣りというのはいつもじっとしているようで退屈に見える。
家庭菜園もそうだ。
動かない植物を相手に、じと〜っと畑にいる感じだ。
交通費や餌代、船代、ロッド代、仕掛け代等を入れたら、釣った魚の値段よりもスーパーで売っている魚の方が断然安い。
家庭菜園も同じで、土地代+種・苗代+堆肥・肥料代+道具代を入れたら、やっぱりスーパーの方が格段に安い。
金銭面で考えたら、どちらも無駄以外の何物でもない。
しかし、趣味として考えたら、費用が掛かるのは当然だ。
暇つぶしにもってこいなんだから、どちらも評価が高いだろう。
ついでに、釣果や収穫がある。
何よりも工夫することが楽しいという点でも共通する。
釣りは、潮目読みや餌の種類、仕掛けの展開等々を世話しなく考えている。
家庭菜園だって同じだ。
土づくりには、どんなふうに取り組むか。
苗はどんなものを選んで、いつごろ植えるか。
堆肥には何を使うか。
EMの有効利用はどうだ。
マルチは・・・、トンネルは・・・、誘引は・・・・。
やっぱり、世話しない。
それらの工夫が釣果に結び付くし、収穫に直結する。
釣りも家庭菜園も、結局は同じなんだ。
定年後の趣味としては東西の横綱級だろうことも共通点か?