
その新宮町は玄界灘に面している。
港から20分ほど定期船に揺られると相島に到着する。
人口が300人ほどの小さな島で、室町時代から江戸時代には時の幕府への外交使節団、朝鮮通信使が立ち寄った遺跡なんかがある。
島の裏側には積み石塚という古代遺跡、古墳もある。
その相島が、最近は猫の島としても有名になっている。
インターネットの普及によって、ブログやSNSに投稿された記事がブームの火付け役だと聞いている。
これまで、仕事や釣りで何度も訪れたので猫のことは知っていた。
が、特に注意は払っていなかった。
それが知人から「相島に外人さんがいっぱい来ようごたあばい」と声を掛けられたところから本日の話になった次第だ。
なんでも、相の島の港にたむろする猫の集団を求めて、休日ともなるとたくさんの人が新宮から渡ってくるらしい。
昔は釣り客か日本人観光客ばかりだったんだが、最近はアジア系やヨーロッパ系の外人さんが連絡船を降りてくると言う。
そして、猫の群れを見つけてはキャッキャ、キャッキャ言いながら、カメラのシャッターを切っているという。
新宮町には観光協会も発足したという話だから、相島も「猫島」として大いにピーアールすればいいのにと思ってしまう。
地元の人からすると、観光客が増えても自分の生活が潤うことはないんだそうだ。
漁協の小さな食堂や土産店がある程度だから・・・・。
勝手に人の家に入り込んだり船に乗ったり餌を必要以上に与えたりして、観光客が地元の人に迷惑を掛けないことを祈るばかりだ。