作者は、朱野帰子(アケノカエルコ)
【本の帯】
深海には美しい雪が降るんだーー。
幼い頃に別れた父の言葉に導かれ、潜水調査船のパイロットを目指す深雪。ところが閉所恐怖症になり、叶いかけた夢は遠のいてしまう。
失意に沈む深雪の前に現れたのは、謎の深海生物〈白い糸〉を追う男・高峰だった。
反発しあう二人だが、運命はいつしか彼らを大冒険へといざない……。
壮大かつ爽快な傑作長編。
【読後感想文】
有村架純が主演して映画化されると聞いた。
朝の番組でブレイクし、最近ではCMで人気を博している女優さんだ。
スマホのCMでは、菩薩さんみたいな微笑みを浮かべている。
今売り出しで、私もファンになってしまった。
成長の過程を興味深く見ていきたいと思っている。
書店に並んでいる文庫本の表紙も飾っている。
冒険小説かなと興味を持ったので、図書館で探して読んでみた。
しかし、原作は小説としてのおもしろさがもう一歩という感じだ。
深海の科学的内容が多くって、ストーリー性に乏しいような気がする。
起承転結がはっきりしないし、人物の心情描写や情景へのこだわりが薄いように思う。
冒険日記、紀行文を読んでいるつもりでいるとちょうどいいかもしれない。
あるいは、深海開発の解説をストーリー仕立てにしてくれていると思えば、それはそれで楽しいものだ。
深海の勉強にもなる。
「深海開発は、宇宙へ行くよりも難しい」ということが、この本でよ〜く分かった。
ストーリーの中で語られる言葉も印象的だ。
次の世代を今育てないと、これまでに培ってきた技術や知識、熱情、意欲が日本方永遠に無くなってしまう。
日本の優秀な人材が世界に逃げ出してしまう。
そんな話を良く聞く昨今だ
ノーベル賞レベルの研究分野やスポーツの世界で。
多くの若者が海洋開発に興味を持つといいな…なんて感想を持った。